Linux 2018 7 8

書名 入門者のLinux
著者 奈佐原 顕郎  講談社ブルーバックス

 多くの人は、コンピューターのOS(Operating System)というと、
マイクロソフト社の「Windows」を連想するでしょう。
 確かに、「Windows」は、パソコン用のOSとしては、
最も優れていて、誰もが使いやすいものです。
 マイクロソフト社の創立者であるビル・ゲイツ氏による、
「世界のすべての人がパソコンを使えるようにしたい」という夢は達成されたのです。
 しかし、今や、コンピューターは、別の方向に動いているのです。
産業用のOSとしては、「Linux」が確立したものとなっています。
 AIコンピューターや「IoT(Internet of Things)」において、
あるいは、自動車や産業用機械の自動運転技術において、
さらに、産業用ロボットや家庭用ロボットにおいて、
「Linux」が中心となっていくでしょう。
 職業的には、「Linux」関連の技術者が不足していくでしょう。
とりわけ、今、ブームになっている「AI(人工知能)」を使うには、
「Linux」は、避けて通れない「入り口」です。
 もちろん、「Windows」で、AIはできなくはありませんが、
使い勝手が悪いのです。
やはり、AIコンピューティングは、「Linux」環境が快適と言えるでしょう。
 誰もがAIコンピューティングを体験したい。
しかし、それには、「Linux」の習得という関門が立ちはだかるのです。
 そういうわけで、学校教育において、
「Windows」を教えるだけでなく、
「Linux」も教えていく必要があります。
 さて、多くの人は、
「Linuxなんて、全くなじみがない」と言うでしょう。
 しかし、多くの人が「Linux」を体験しているのです。
スマートフォンで使われている「Android」とは、
Googleが「Linuxカーネル」を使って開発した、
モバイル用のOS(Operating System)です。
(カーネルとは、Linuxの中枢部を構成するソフトウェアです)
 最近では、家電にもOSが使われていて、
それも「Linuxカーネル」を使っています。
 テレビやDVDレコーダーのOSにも、
「Linuxカーネル」が使われています。
 実は、「Linux」は、
世界で最も多く使われているOSです。
 みんな、体験しているけれど、
みんな、そのことを気づいていない。
それが、「Linux」というOSです。
 思えば、「Linux」の旅は、紆余曲折の連続だったと思います。
昔は、コンピューターとは、汎用コンピューターと端末機という組み合わせでした。
この組み合わせで使われるOSは、「UNIX」でした。
 そこへ参入したのが、パーソナルコンピューター(パソコン)です。
パソコンは、汎用コンピューターの端末機ではありません。
 パソコンでも、「UNIX」というOSが使えればよかったのですが、
「UNIX」は、大型コンピューター用に作られていて、
とうてい、パソコンで使える代物ではなかったのです。
 それでも、パソコンで「UNIX」を使いたい。
そういう多くの人の願望を実現したのが、リーナス・トーバル氏です。
「Linux」は、パソコンでも使えるUNIX系のオペレーティングシステムとして誕生したのです。

Ubuntu ウブントゥ 2018 1 1
 「Ubuntu」とは、アフリカのズールー語で、
「他者への思いやり」や「みんながあっての私」という意味だそうです。
 ここでいう「Ubuntu」とは、
コンピューターのOS(オペレーティングシステム)である、
UNIX系OSの「Linux」のディストリビューション(Linuxのパッケージソフト)のことです。
UNIX(OS)→Linux(UNIX系OSのカーネル)→Ubuntu(Linuxのディストリビューション)
 このディストリビューションには、
「Ubuntu」の精神をコンピューター業界やIT業界に届けたいという思いがあります。
 なぜならば、「Ubuntu」の精神こそが、
オープンソース運動の核心にある共有と協力の精神を見事に表しているからです。
(ubuntu Japanese Teamのサイトから引用)
 また、このサイトによれば、Ubuntuについて、このような説明があります。
 Ubuntu(ウブントゥ) とは、
Ubuntuコミュニティ により開発されているオペレーティングシステムです。
ラップトップ、デスクトップ、そしてサーバーに利用することができます。
 Ubuntuには、家庭・学校・職場で必要とされるワープロやメールソフトから、
サーバーソフトウェアやプログラミングツールまで、あらゆるソフトウェアが含まれています。
 Ubuntuは現在、そして将来に渡って無償で提供されます。
ライセンス料を支払う必要はありません。
 Ubuntuをダウンロードすれば、友達や家族と、
あるいは学校やビジネスに、完全に無料で利用できます。
(引用、以上)
 それから、UbuntuのCode of Conduct(行動規範)も掲載します。
他者を思いやれ
他者を尊重せよ
協力せよ
意見が合わないときは相談せよ
自信がないときは助けを求めよ
退任するときは慎重に
(引用、以上)
 このような行動規範は、世界中のボランティアが集まって、
ソフトウェアを国際共同開発するには必要なことだと思います。
 また、このような精神は、キリスト教精神に合致するでしょう。
みんなが、ボランティア精神に基づいて自由に協力することにより、
大規模なフリーソフトウェアを完成させていくということです。
 これは、農耕民族の精神にも合致するかもしれません。
今でこそ、農業機械がありますが、
昔は、みんなで協力して農作業をしていました。
 「Ubuntu」を使ってみたいと思った人は、
以下の雑誌が役に立つでしょう。

書名 日経Linux 2018 1
   新しいUbuntu17.10完全ガイド
出版社 日経BP社













































































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